phone rang 049
pr_049
僕は見えない川を見つめ続けた。例えば僕がこの夜の川に入り、昼間は姿を見ることができる灰色の小さな魚を捕まえなければならないとしたら、と考えた。魚たちは葦のような草の陰で目を開けたままじっとしている。僕は魚たちのいない流れのある川の真ん中で、必死に水を手で掻き続ける。魚たちは僕の姿を特に気にもとめず、まるで死んでいるかのように静かに、夜を見つめ続けるに違いない。 次へ
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