phone rang 030
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祖父は時折、自分の携帯電話から僕のところに電話を掛けてきた。ある時は横浜の中華街から、ある時は新宿の寄席から、自分が使っていた古い電話がそこにあることを確認するかのように掛けてきて、決まって、どうだ、変わりはないか、と言った。プッシュ式電話機は快活そのもの、何も変わりはない、僕はそう答えたものだった。 次へ
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