phone rang 068
pr_068
彼女はきっと電話を掛けてこないだろう。午前中に電話すると言っていたのは先週の火曜日、午後のこと、それから随分時間が経ってしまっている。事情が変わったのかもしれない。少なくとも、僕の知らないどこかで雲行きは怪しくなり、不穏な風が吹き、その風の中に雨が混じり始める。すべてが億劫になってしまうような、けだるい午後。外の様子を伺うために窓辺に来たKは、雨が降りしきる中、世界が変わってゆく様をじっと見つめているのだ。 次へ
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