phone rang 057
pr_057
ノイズ音は激しい夜の川の流れのせいで聞こえず、携帯電話の周りで聞き耳を立てていた灰色の魚たちも、気づかないほどだが、そのわずかな振動が、遠く離れた北国に届き、居間のテーブルで絵葉書に向かっていたKに作用して、最初の一言、何ということのない時候の挨拶を書くきっかけになったかも知れない。 次へ
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